
後見人、補佐人、補助人の違い
2025年10月21日 23:04
この三者は、認知症や精神上の障害などにより、判断能力が不十分な方をサポートする制度です。最も支援が必要な状態から、比較的軽度な状態まで、段階に応じて制度が分けられています。
1. 後見人(こうけんにん)
サポートされる人: 成年被後見人
本人の状態: 判断能力が欠けているのが通常の状態(最も重い)で、自分一人で物事を判断するのは非常に難しい状況です。
権限の強さ: 最も強い権限を持ちます。
後見人は、本人に代わってすべての法律行為(契約など)を代理できます。
本人が自分でした不利益な契約のほとんどを後から取り消すことができます。
本人は、後見人がいることで、原則として自分で有効な法律行為を行うことができなくなります。
2. 保佐人(ほさにん)
サポートされる人: 被保佐人
本人の状態: 判断能力が著しく不十分(中間)で、特に重要な財産に関する行為(例:大きな借金、不動産の売買)を一人で行うのは難しい状況です。
権限の強さ: 後見人よりも限定的ですが、一定の強い権限を持ちます。
本人が重要な財産行為をする際には、保佐人の同意が必要で、同意なしに行われた行為は後から取り消すことができます。
必要に応じて、家庭裁判所の審判により、特定の法律行為について代理権を与えられ、本人に代わって手続きを行うこともできます。
3. 補助人(ほじょにん)
サポートされる人: 被補助人
本人の状態: 判断能力が不十分(最も軽い)で、通常は自分で判断できますが、難しい契約や重要な取引の時だけ、少しサポートが必要な状況です。
権限の強さ: 最も限定的です。
原則として、補助人が選任されただけでは、何も権限を持ちません。
本人の状況に合わせて、家庭裁判所に申し立てを行い、特定の法律行為だけに限定して、同意権や代理権を付与してもらいます。必要なサポートだけをピンポイントで行うイメージです。
まとめると、権限の強さと本人の判断能力の低下の度合いは、以下のようになります。
後見人(最も重度・強い権限)→保佐人(中程度)→補助人(最も軽度・限定的な権限)
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