
帰化申請の手続き
2025年10月21日 23:05
日本国籍を取得するための帰化申請は、法務局を通じて行われます。手続きは長期にわたり、非常に多くの書類が必要です。
1. 帰化の基本的な条件(要件)
まず、国籍法で定められたいくつかの要件を満たしている必要があります。
住んでいる期間(住所要件):引き続き5年以上日本に住んでいることが原則です。
年齢(能力要件):18歳以上で、本国法(元の国の法律)でも大人として認められている必要があります。
生活能力(生計要件):申請者本人、または一緒に暮らす親族の財産や収入で、安定した生活を送ることができること。
素行(素行要件):善良な行いをしていること。具体的には、犯罪歴がないこと、納税義務をきちんと果たしていること、交通違反などが少ないことなどが重視されます。
元の国籍(国籍喪失要件):原則として、日本国籍を取得することで元の国籍を失うことができること。
思想(憲法遵守要件):日本政府を暴力で破壊するような活動や団体に属していないこと。
2. 申請手続きの流れ
帰化申請は、以下のような手順で進められます。
事前相談と予約: まずは、住んでいる場所を管轄する法務局(国籍課)に連絡を取り、個別相談の予約をします。申請者の状況に合わせた必要書類を確認してもらうことが、手続きの第一歩です。
書類の収集と作成: 法務局から指示された膨大な数の書類を集めたり、自分で作成したりします。
正式申請: 収集・作成した書類一式を法務局に提出します。
審査: 法務局の担当官が提出された書類を基に審査を進めます。
面接: 申請後、法務局で担当官との面接があります。書類の内容確認のほか、日本語能力や帰化の動機などが質問されます。
許可・不許可の決定: 審査の結果、法務大臣から許可が出ると、官報に氏名が掲載され、日本国籍を取得できます。不許可となる場合もあります。
3. 申請に必要な主な書類
必要書類は申請者の状況(会社員、経営者、日本人配偶者の有無など)により大きく変わりますが、主に以下のカテゴリーの書類が必要です。
(1) 法務局の書式で作成する書類
帰化許可申請書:申請者の情報や写真を貼る書類です。
帰化の動機書:なぜ日本国籍を取得したいのかを、自筆で記載する非常に重要な書類です。
履歴書:学歴、職歴、日本での居住歴などを詳細に記載します。
親族の概要を記載した書面:家族構成などを記載します。
生計の概要を記載した書面:収入や支出、資産状況を説明する書類です。
(2) 役所や勤務先から集める証明書類
本国関係書類:元の国の役所から取得する出生証明書、婚姻証明書、家族関係証明書など。外国語の書類はすべて日本語の訳文が必要です。
在留関係書類:在留カードの写し、過去のパスポートの写し、日本への出入国記録など。
居住関係書類:住民票の写し(世帯全員分)、過去の居住歴がわかる書類など。
経済関係書類:
納税証明書・課税証明書:住民税や所得税など、税金をきちんと納めていることを証明する書類(同居家族分も求められることがあります)。
収入を証明する書類:勤務先からの在勤及び給与証明書、源泉徴収票など。
資産を証明する書類:預貯金通帳の写し、不動産の登記事項証明書など。
その他:運転記録証明書、最終学歴の卒業証明書など。
これらの書類は、一つでも不備があると受け付けてもらえません。そのため、法務局の指導に従い、正確に、漏れなく準備することが成功の鍵となります。
<お問い合わせ>
富森行政書士事務所
行政書士 富森翔太
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