富森行政書士事務所のコラム

NPO法人を設立したい

NPO法人を設立したい

2025年10月22日 09:51

NPO法人(特定非営利活動法人)の設立は、株式会社などと異なり、所轄庁による「認証」が必要で、時間と手間がかかる手続きです。

設立には、主に①要件を満たすこと②定められた書類の提出が必要です。

手続きの全体像は、「設立総会」「所轄庁への認証申請」「法務局での登記」→**「所轄庁への届出」**という流れになります。



1. NPO法人設立のための主な要件


特定非営利活動法人として認められるためには、法律で定められた以下の要件をすべて満たしている必要があります。


  1. 特定非営利活動を主たる目的とする:保健・医療・福祉、社会教育、まちづくりなど、法律で定められた20分野の活動を主な目的とすること。


  2. 営利を目的としない:収益事業を行うことは可能ですが、その利益を構成員で分配しないこと。


  3. 社員が10人以上いる:正会員にあたる社員が常に10人以上いること。


  4. 社員の資格の得喪(入会・退会)に不当な条件をつけない:原則として誰でも自由に入会できること。


  5. 役員(理事・監事)の報酬制限:報酬を受ける役員の数が、役員総数の3分の1以下であること。


  6. 役員の親族制限:役員とその親族などが、役員総数の3分の1を超えないこと。


  7. 宗教活動、政治活動を主たる目的としない


  8. 暴力団またはその構成員の統制下にある団体ではない



2. 設立手続きのステップ


NPO法人の設立には、書類作成から登記完了まで通常3ヶ月から半年程度の期間を要します。


ステップ1:設立総会の開催と書類の準備


法人設立の意思決定を行うため、設立社員が集まり設立総会を開催します。

ここで、以下の重要な事項を決定し、設立認証申請に必要な書類を作成します。


  • 定款:法人の目的、名称、事業、組織運営のルールなどを定めた、いわば法人の憲法にあたるもの。


  • 設立趣旨書:なぜこの法人を設立し、どのような社会貢献を目指すかを記載したもの。


  • 事業計画書・活動予算書:設立初年度と翌年度の2年分を作成します。


  • 役員名簿役員の就任承諾書役員の住民票など。


ステップ2:所轄庁への設立認証申請


作成した書類を主たる事務所の所在地を管轄する所轄庁(都道府県知事または政令指定都市の市長など)に提出し、設立の認証を申請します。


  • 公衆の縦覧:申請書類の一部は、受理後2週間公衆に公開され、市民の点検を受けます。


  • 審査・認証:縦覧期間終了後、所轄庁による審査が行われます。

    審査期間は通常2ヶ月以内です。

    審査に通過すると、所轄庁から設立認証書が交付されます。


ステップ3:法務局での設立登記


認証書を受け取ったら、認証通知があった日から2週間以内に主たる事務所の所在地を管轄する法務局設立登記を行います。


  • 重要:この登記をすることで、NPO法人として正式に成立します。

    登記が完了するまでは法人として活動できません。


ステップ4:所轄庁などへの届出


設立登記が完了したら、遅滞なく以下の機関へ届出を行います。


  • 所轄庁:登記完了を証明する書類(登記簿謄本など)を所轄庁に提出します。


  • 税務署・都道府県税事務所・市区町村役場:法人設立届出書などを提出します。


  • 労働基準監督署・ハローワークなど:従業員を雇用する場合は、社会保険・労働保険の手続きを行います。


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富森行政書士事務所

行政書士 富森翔太

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