
マージャン教室を営業する際の注意点
2025年10月21日 23:05
麻雀教室を営業する際の最大の注意点は、その運営形態が**「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(風営法)の規制対象となるかどうか**、そして賭博行為を厳しく排除することです。
単に「麻雀の打ち方を教える」教室であっても、実態によっては一般的な雀荘(風俗営業)と見なされる可能性があります。
1. 法律・許可に関する注意点(風営法)
麻雀店(雀荘)は、風営法上の**「4号営業」**に該当し、営業するには都道府県公安委員会の許可が必要です。
重要な判断基準
麻雀教室が風営法の許可を必要とするかどうかは、以下の要素を総合的に判断されます。
射幸心をそそる行為の有無: 金銭や商品を景品として提供するなど、射幸心を煽る行為があるかどうか。教室の形態であっても、高額な賞品をかけた大会などを常態的に行うと風俗営業と見なされます。
設備の常態的な設置: 麻雀卓(雀卓)を常態的に多数設置し、客に遊技をさせる場所を提供しているか。単に「教える」だけでなく、生徒同士が自由に対局する時間が多いと、遊技場と見なされる可能性が高まります。
営業形態: 授業料という名目であっても、実態として一般的な雀荘営業と同質と判断される場合は許可が必要です。
許可が必要な場合の制約
もし風営法の許可が必要となった場合、以下の厳しい制約を受けます。
立地規制: 住居専用地域など、一部の用途地域では営業できません。また、学校、病院、図書館などの**「保全対象施設」**から定められた距離を離す必要があります。
営業時間規制: 深夜(概ね午前0時または午前1時~午前6時)の営業は禁止されます(居酒屋とは異なり、届け出をしても深夜営業はできません)。
構造・設備規制: 客室の見通しを妨げる高さ1メートル以上の設備(個室など)は設置できません。照度(明るさ)も10ルクス以上に保つ必要があります。
年齢制限: 18歳未満の者の立ち入りが禁止されます。
2. 賭博に関する注意点(刑法)
麻雀教室、雀荘を問わず、賭博行為は刑法で禁止されている犯罪行為です。
金銭の授受の禁止: 利用者や生徒が、点数に応じて現金や高額な景品のやり取りをすることは、金額の多寡にかかわらず、賭博罪に問われる可能性があります。
経営者の責任: 店側が賭博を黙認したり、賭博のための場所を提供したりした場合、賭博場開張図利罪というさらに重い罪に問われる可能性があります。
指導の徹底: 教室の管理者や講師は、金銭を賭ける行為が絶対にないよう、利用者に対して周知徹底し、厳しく管理する責任があります。
3. その他の注意点
飲食店営業許可: お茶、コーヒー、カップ麺などの軽食であっても、飲食物を提供する場合は、保健所に対して飲食店営業許可の申請が必要です。
消防法: 建物の規模や構造に応じて、消防法に基づく消防用設備の設置や、消防署への届出が必要です。
麻雀教室の開業を検討する際は、自己判断せず、管轄の警察署(生活安全課)や風営法専門の行政書士に事前に相談し、風営法の適用を受けるかどうかを明確にすることが、最も重要かつ安全な進め方です。
<お問い合わせ>
富森行政書士事務所
行政書士 富森翔太
〒131-0033 東京都墨田区向島1丁目28-3 田中ビル302
TEL 080-5803-2182