
契約書がなくても契約は成立します
2025年10月21日 23:07
日本の法律(民法)における契約成立の基本的な原則は、「諾成(だくせい)契約の原則」です。
これは、契約書のような書面を作成しなくても、当事者同士の**「意思の合致」**さえあれば、法律上、契約は有効に成立するという考え方です。
申込み: ある人が「この条件で取引をしたい」と提案する。
承諾: 相手が「その条件で取引をします」と同意する。
この**「申込み」と「承諾」**が口頭やメール、ジェスチャーなどで明確に行われ、双方の意思が一致していれば、契約書がなくても法的な効力が発生します。
契約書が必要になる「例外」
ほとんどの契約は意思の合致のみで成立しますが、非常に限定的な例外として、法律が書面での契約を成立の要件としているものもあります。
例えば、土地を借りる特定の契約形態である「定期借地権の設定」や、個人の借金に対する「根保証契約」など、一部の重要な契約は、書面がなければ無効となります。
実務上で契約書を作成する理由(証拠としての重要性)
契約は口約束でも成立しますが、ビジネスや重要な取引では必ず契約書が作成されます。その理由は、「証拠」としての役割が非常に重要だからです。
トラブル予防と証拠: 口約束だけでは、「言った、言わない」の水掛け論になりやすく、後から内容を証明するのが困難になります。契約書があれば、取引の具体的な内容(金額、納期、支払い方法、責任の範囲など)が明確に記録され、万一紛争になった際の決定的な証拠となります。
認識の統一: 契約書を作る過程で、当事者間の認識のズレを解消し、曖昧な点を明確に定めることができます。
行政書士は、以下のような**「権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせる」**ための契約書を、依頼者の代理人として作成することができます。
各種契約書:
売買契約書、賃貸借契約書(建物・土地など)
金銭消費貸借契約書(借用書)、準消費貸借契約書
業務委託契約書、請負契約書、委任契約書
秘密保持契約書(NDA)、利用規約
その他、日常的な商取引や個人間の合意に関する契約書
協議書・合意書:
遺産分割協議書(**※**紛争性がない場合)
離婚協議書(**※**紛争性がない場合)
示談書、念書、合意書
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富森行政書士事務所
行政書士 富森翔太
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